資金管理とメンタル
国内のFX会社で出た利益にかかる税金は、合計20.315%。内訳は所得税15%、地方税5%、そこに復興特別所得税がすこし乗る。給与とは別の箱で計算する「申告分離課税」だよ。そして損した年は、その損を翌年以後3年内まで持ち越せる。ここだけ持ち帰れば足りるさ。
畑でいえば、税金は収穫したあとの取り分の話。不作の年の記録が、あとで効いてくるのがこの制度のやさしいところなんだ。
利益に対して20.315%だよ。国税庁タックスアンサー No.1521では、差益は「先物取引に係る雑所得等」として所得税15パーセント、他に地方税5パーセントの税率で課税されると案内されている。給与や副業の報酬とは合算しない、独立した箱の計算さ。
そこに復興特別所得税が乗る。注記によると、平成25年から令和19年までの各年分は、所得税と復興特別所得税(原則として、その年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納付することになる。
数えてみようか。15%の2.1%ぶんは0.315%。だから15%+0.315%+5%で20.315%。
米ドル/円で年に30万円の実りがあったなら、そのうち6万円ちょっとを納める計算さ。この割合を頭の隅に置いておくと慌てないよ。
公式が書いているのは15%と5%と2.1%の3つで、合計した数字はどこにも書かれていないから。この記事を書くのに、No.1521・No.1522・No.1523・No.1900の4ページを並べて読んでみたんだ。「20.315」という並びは、4ページとも一度も出てこなかった。
よそで見かける20.315%は、公式の3つの数字を掛けて足した結果ということ。数字そのものは正しい。ただ出どころが計算だと知っておくと、あとで自分でたどり直せるよ。
もうひとつ気づいたことがある。4ページとも冒頭に[令和7年4月1日現在法令等]と基準日が入っていた。税の話は基準日つきで読むのが安全なんだ。
給与以外の所得の合計が20万円を超えたらだよ。もとになるのは国税庁タックスアンサー No.1900。給与を1か所からもらっていて、その全部が源泉徴収の対象である場合の話だよ。そのとき、給与所得と退職所得を除いた所得の合計が20万円を超えたら申告する、と書かれている。
同じページには、給与の年間収入金額が2,000万円を超える人など、ほかの条件も並んでいるよ。
ここ、間違えやすいところ。判定に使うのは、増えた額から必要経費を引いた所得の額さ。取引ツールの費用など、そのために使ったぶんは差し引ける余地があるんだ。なにが経費になるかは、税務署に聞くのがいちばん早いよ。
No.1900は所得税のページなんだ。住民税は都道府県と市区町村が扱う別の税で、同じ20万円で判断できるとはかぎらない。お住まいの市区町村の窓口に確認してね。
霜が降りて畑がだめになった年の記録は、捨てないほうがいい。国税庁タックスアンサー No.1523によると、引ききれなかった損失は翌年以後3年間にわたって繰り越し、その年の「先物取引に係る雑所得等」の金額を限度として差し引ける。
たとえば初年に20万円の損。翌年に30万円の利益が出たとすると、課税されるのは差し引いた10万円ぶんになる。20.315%をかけると20,315円。繰り越さなかった場合の60,945円と比べて、4万円ほど変わる勘定だね。
この制度、置いておくだけでは効かない。No.1523が挙げている手続きはこの3つ。
まん中の「連続して」がくせ者さ。取引を休んだ年でも、付表を添えて出しておかないと鎖が切れる。畑を休ませた年も、帳面だけはつけておくのさ。
相殺できるのは同じ箱に入っている取引どうしだけ。No.1521には、他の「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益通算は可能だが、それ以外の所得の金額との損益通算はできないと明記されている。表にしてみたよ。
| 相手 | FXの損益と通算できる? | ひとこと |
|---|---|---|
| 他社のFX口座の損益 | できる | 同じ区分。口座が分かれていても合算する |
| 商品先物・指数先物などの差金決済 | できる | No.1522が挙げる対象取引にあたるもの |
| 上場株式・投資信託の売却損益 | できない | 別区分。同じ「投資」でも箱がちがう |
| 給与所得 | できない | 給与から引くという使い方はできない |
| 海外の業者での取引 | ちがう扱いになることがある | 下の注記を見てね |
いちばん下の行は注意がいる。No.1521の注記では、平成28年10月1日以後に行う店頭デリバティブ取引のうち、金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限ります。)または登録金融機関以外との取引は申告分離課税ではない、とされている。総合課税になるという意味さ。使っている会社の登録は金融庁で確かめられるよ。
出す先は、住んでいる場所を受け持つ税務署だよ。時期は原則として翌年の2月16日から3月15日までだよ。曜日の並びでずれることがあって、たとえば令和7年分の所得税の申告・納付は国税庁の確定申告特集で令和8年3月16日(月)までと案内されていた。
そろえるものは、そんなに多くないんだ。
書類の名前は長いけれど、国税庁の確定申告書等作成コーナーで案内どおりに金額を入れれば、明細書も付表も自動で作られる。e-Taxならそのまま送れるよ。
根拠の条文まで見たい人へ。No.1521の根拠法令等の欄には、措法41の14と41の15、それに復興財確法13が並んでいたよ。
のほほんまとめ帳
・税率は20.315%。内訳は15%+0.315%+5%
・会社員は給与以外の所得20万円超で申告
・損した年も出しておくと3年使える
・繰越は「連続して」出しつづけるのが条件
・株の利益とは相殺できない
税金の話は身構えるけれど、やっているのは収穫の記録づけだよ。年の終わりに損益報告書を1枚おろして、数字を眺めるところから始めれば十分さ。日々の損益の数え方はpipsと損益計算のはなし、毎日ちょっとずつ実るスワップの扱いはスワップポイントの記事にまとめてある。取引そのものの守りを固めたいなら2%ルールと証拠金維持率のはなしもどうぞ。
そのうえで、事情はひとりずつちがう。迷ったら税務署か税理士に聞いてね。それがいちばん確かさ。
最終更新:2026年8月28日
20.315%だよ。No.1521にある所得税15パーセントと地方税5パーセントに、復興特別所得税(基準所得税額の2.1パーセント)を足した数字さ。給与とは別枠で計算するんだ。
給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超えたらだよ。No.1900に書いてある。給与の年間収入金額が2,000万円を超える人も対象さ。住民税は別の税だから、市区町村にも確認してね。
繰越控除を使うつもりなら出しておこう。No.1523では、損失の年に付表と明細書を添えて提出し、その後において連続して付表を添えた申告書を出すことが要件とされている。繰り越せるのは翌年以後3年間だよ。
それはできないんだ。相殺できるのは他の「先物取引に係る雑所得等」との間だけで、それ以外の所得とは通算できないとNo.1521に書かれている。同じ投資でも箱がちがうのさ。